【福岡市版】代償分割とは?相続した不動産の分け方として知っておきたいポイントを解説

相続について

萬谷 詠史

筆者 萬谷 詠史

不動産キャリア25年

不動産業界歴25年のベテラン。賃貸、売買、投資、管理と、不動産のあらゆる分野で培った経験をもとに、物件の価値を様々な角度から見極め、最も有利な売却方法をご提案いたします。「頼んでよかった!」というお声を多数いただく、信頼と実績のある“売却のプロフェッショナル”です。

保有資格: 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産キャリアパーソン
取扱実績:3,000件以上

代償分割とは?相続した不動産の分け方として知っておきたいポイントを解説

相続財産に不動産があると、どのようにして分けたら良いのか悩んでしまうかもしれません。
不動産を手放さず、かつ公平に分けたいときは代償分割と呼ばれる方法があります。
そこで今回は、不動産を相続する可能性のある方に向けて、代償分割とはどのような方法なのか解説します。
メリットやデメリット、遺産分割協議書の書き方なども解説しますので、ぜひご参考にしてください。

代償分割とは①特徴と相続財産を分ける際に向いているケース

代償分割とは①特徴と相続財産を分ける際に向いているケース

代償分割は、遺産を分割する方法の1つです。
とくに、相続人が複数いて、不動産などの分けにくい財産がある場合は有効な可能性があります。
どのような方法なのか、向いているケースとともに確認してみましょう。

代償分割の特徴や向いているケースとは

代償分割とは、遺産を多く相続した方が、その代償としてほかの相続人にお金などを支払う方法です。
たとえば、2人の相続人のうち1人が評価額3,000万円の不動産、もう1人が1,000万円の預貯金を相続したとしましょう。
この場合、不動産を相続した方がもう1人に1,000万円の現金もしくはそれに相当する財産を渡すと、代償分割が成立します。
代償分割が向いていると考えられるのは、以下のようなケースです。

●公平に分けたい
●不動産などの資産を手放したくない
●不動産などを事業に使用している
●代償金の支払いが可能である


遺産を分ける方法はほかにもありますが、売却などをせず、そのままの形で公平に分けたいときは代償分割がおすすめです。
また、事業を継承する場合は、後継者が事業用の資産を相続する必要があります。
そうすると、後継者に遺産が集中して、不公平になってしまうことがあるでしょう。
そのようなケースにも、代償分割は有効です。
ただし、代償金を支払うことができないと、代償分割は選択できません。
したがって、代償分割を検討する際は、まずその点を確認する必要があります。

代償分割以外の分割方法とは

相続した不動産を分ける方法には、現物分割と換価分割もあるので、どのような方法なのか確認しておきましょう。
現物分割とは、遺産をそのままの形で相続する方法です。
たとえば、相続人が2人いて、遺産が2,000万円の預貯金と2,000万円の不動産だった場合は、1人が預貯金を受け取り、もう1人が不動産を受け取ります。
ただし、この例のように公平に分割できるケースは問題ありませんが、1,000万円の預貯金と2,000万円の不動産などの場合はトラブルになる可能性があります。
もう1つの換価分割とは、遺産を売却などによって現金化してから分ける方法です。
現金にすると分けやすくなりますが、その資産は手放さなくてはなりません。
向いている方法は個々のケースによって変わるので、相続人全員でしっかりと話し合い、納得できるものを選びましょう。

代償分割とは②相続の際に選択すると生じるメリットとデメリット

代償分割とは②相続の際に選択すると生じるメリットとデメリット

ご自身のケースに適した遺産の分割方法を検討する際は、メリットやデメリットを知っていると判断の一助となります。
そこで、代償分割のメリットとデメリットをそれぞれ確認してみましょう。

代償分割のメリットとは

代償分割を選択すると得られるおもなメリットは、以下の3つです。

●公平に分けられる
●不動産などの資産を残すことができる
●共有名義を避けられる


遺産を分割する際は、不公平な内容だとトラブルになってしまうことがあるでしょう。
代償分割は、代償金の支払いによって比較的公平にすることができるので、そのような心配が軽減します。
また、遺産を公平に分ける方法には先述した換価分割も挙げられますが、不動産などの資産を売却すると所有権を失ってしまいます。
その点、代償分割は資産を残すことが可能です。
そして、遺産に不動産がある場合は、共有名義を避けられることもメリットに挙げられます。
共有名義とは、1つの不動産を複数人で共有している状態のことです。
相続した不動産を手軽に分割できるメリットがあるので、とりあえずの措置として選択されることが多々あります。
しかし、共有名義の不動産にはさまざまなデメリットが生じるので、この方法を選択すると将来困ってしまう可能性があります。
たとえば、共有名義の不動産を売却する際は共有者全員の同意が必要で、反対者や連絡の取れない方がいると実行できません。
共有者に相続が発生すると、共有者が増えて権利関係が複雑化することもデメリットです。
代償分割なら、そのような事態を防ぎ、かつ資産を手放さず公平に分けることができます。

代償分割のデメリットとは

代償分割のデメリットは、資金力がないと選択できないことです。
代償金を支払うことができない場合は、ほかの方法を選ばなくてはなりません。
そして、代償金を決める際にトラブルが発生しやすいこともデメリットです。
不動産を相続する方が代償金を支払う際は、評価額を決める必要があります。
しかし、不動産の評価方法は複数あるので、どれを使うか意見が分かれてトラブルになることが多々あります。
さらに、贈与税がかかる可能性があることにも注意しなくてはなりません。
贈与税とは、個人から一定額以上の財産をもらったときに発生する税金です。
代償金が多すぎると、贈与とみなされる可能性があります。
また、遺産分割協議書に代償金の記載がない場合も贈与とみなされることがあるので、忘れずに記載しましょう。

代償分割とは③遺産分割協議書の書き方と相続税の計算方法

代償分割とは③遺産分割協議書の書き方と相続税の計算方法

遺産を代償分割するときは、通常とは異なる注意点があります。
とくに、遺産分割協議書の書き方と相続税の計算方法には押さえておくべき点があるので、それぞれ確認しておきましょう。

遺産分割協議書の書き方で押さえるべき点

相続人全員で遺産の分割方法や金額などを決めたら、その内容を記した遺産分割協議書を作成します。
先述のとおり、代償分割をする場合は代償金に関することを遺産分割協議書に記載しないと、贈与だとみなされてしまいます。
したがって、遺産を代償分割する旨や代償金の金額などについて忘れずに記載しましょう。
なお、遺産分割協議書には、ほかにも被相続人や相続人に関する情報、相続財産の内容や相続する方、協議が成立した年月日などを記載します。
書類の最後には相続人の住所を記載して、署名と実印の捺印をします。
遺産分割協議書のサンプルの確認やひな形のダウンロードはインターネットでできるので、必要に応じて利用しましょう。

相続税の計算方法で押さえるべき点

遺産を代償分割した場合は、相続税の計算方法にも注意が必要です。
なぜなら、代償金は各相続人の相続税の課税価格に影響するからです。
相続税は、総額を計算したあとに各相続人の課税価格に応じて按分するので、課税価格が変わると負担する税額が変わります。
そのため、代償分割をする場合は、課税価格の計算方法をしっかりと押さえておきましょう。
課税価格の計算方法は、代償金を算出する際に使った評価方法によって変わります。
相続税評価額を使った場合は、以下の計算方法で算出します。

●代償金を支払った方:相続税評価額-支払った代償金
●代償金を受け取った方:受け取った代償金


代償金の価額をそのまま使うので、こちらのパターンは比較的わかりやすいでしょう。
一方、時価を使った場合の計算方法は以下のとおりです。

●代償金を支払った方:相続税評価額-支払った代償金×(相続税評価額÷時価)
●代償金を受け取った方:受け取った代償金×(相続税評価額÷時価)


このように、時価を使った場合は、単純に代償金の金額を使うわけではありません。
思い違いをしやすい点なので、注意して覚えておきましょう。

まとめ

代償分割の大きなメリットは、不動産などの分けにくい遺産があっても、公平かつ手放さずに分けられることです。
ただし、代償金を支払うことのできる資金力がないと選択できません。
遺産の分割方法には、ほかにも売却して現金を分ける換価分割などがあるので、相続人全員で話し合って納得できるものを選びましょう。

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