【福岡市版】負動産の処分方法は?相続時の対応策や放棄手続きを解説

相続について

萬谷 詠史

筆者 萬谷 詠史

不動産キャリア25年

不動産業界歴25年のベテラン。賃貸、売買、投資、管理と、不動産のあらゆる分野で培った経験をもとに、物件の価値を様々な角度から見極め、最も有利な売却方法をご提案いたします。「頼んでよかった!」というお声を多数いただく、信頼と実績のある“売却のプロフェッショナル”です。

保有資格: 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産キャリアパーソン
取扱実績:3,000件以上

負動産の処分方法は?相続時の対応策や放棄手続きを解説

相続時に発生する負動産の問題は、予期せぬ経済的負担として多くの方が直面することがあります。
固定資産税や空き家の管理費用がかさむため、適切な対処法を知っておくことが大切です。
この記事では、負動産の定義や処分方法、相続放棄の手続きについて詳しく解説しますので、ぜひご参考にしてください。

負動産とはなにかについて

負動産とはなにかについて

日本における不動産相続では、所有しているだけで維持費や税金がかかる「負動産」が注目されています。
これは売却や賃貸が難しく、固定資産税や管理費用などの経済的負担が続く不動産を指します。
具体的には、需要の少ない過疎地の土地や老朽化した建物、形状が不整形で有効活用が難しい土地などが該当します。
こうした物件は市場価値が低く、買い手や借り手がつかないため、所有者にとっては負担ばかりが増す「負の財産」となり得ます。
同様に、都市部でも極端に形がいびつで家を建てにくい土地は負動産化しやすいといえます。
所有コストが収益を大きく上回ると資産価値が向上しにくい点も注意が必要です。

固定資産税が負担となる不動産の具体例とその背景

負動産の場合、収益を生まないのに固定資産税が課され、維持管理費用もかかるため大きな負担となります。
たとえば、活用の見込みがない山林や農地、老朽化した空き家、需要の薄い狭小地などが典型例です。
空き家であれば、倒壊防止や衛生管理の費用も加わり、経済的負担が増大します。
さらに、農地や山林は実際に農林業をおこなう予定がなければほぼ収益を見込めず、維持のメリットが乏しくなります。
除草や境界管理を怠ると近隣とのトラブルに発展する例もあります。

空き家問題の現状とその社会的影響

日本では少子高齢化や人口減少に伴い、空き家の数が増加しています。
空き家が適切に管理されないと、防災・衛生面のリスクが高まるほか、地域の景観や治安の悪化、資産価値の低下といった社会的影響も避けられません。
こうした状況を踏まえ、自治体や地域コミュニティでは空き家バンクなどの制度を活用し、物件の有効活用を図る取り組みがおこなわれています。
総務省の住宅・土地統計調査によれば、空き家率は年々上昇傾向にあります。
空き家が増えれば行政コストも増大し、自治体によっては固定資産税の減収につながる点も深刻化しつつあります。

負動産を相続する際の注意点と対策

負動産を相続する場合は、まずその不動産の市場価値や維持費用を正確に把握し、売却や利活用の検討を進めることが重要です。
相続放棄を考える場合でも、手続きの間に管理義務を負う可能性がありますし、寄付を選択しても受け入れを断られる場合があります。
そのため、専門家や自治体の窓口に相談して最適な対応策を探ることが大切です。
なお、負動産の活用方法としては、賃貸やリノベーションを含め、コミュニティスペースとして提供するなどの選択肢も検討できます。
こうしたアイデアにより不動産の価値を見いだし、負担を軽減できる場合があります。
とくに、遠方の不動産を相続する場合は、交通費や点検の手間を考慮することが重要です。
周辺の不動産事情を踏まえて、地元の不動産会社や行政の相談窓口を活用することでリスクを軽減できます。

負動産を処分する方法について

負動産を処分する方法について

負動産を所有し続けると、固定資産税や維持費などの負担が増すため、売却や寄附などの具体的な処分方法を検討する必要があります。

売却による処分方法

売却をおこなえば、維持費や税金の負担から解放される可能性があります。
主な方法として、不動産会社を通じた仲介売却と、不動産買取業者への直接売却があります。
仲介売却は市場価格での売却を期待できますが、買い手が見つかるまで時間がかかることがあります。
一方、買取業者への直接売却は手続きが迅速な一方、価格が下がる傾向にある点に注意が必要です。
売却に際しては、複数の不動産会社に査定を依頼して適正価格を把握し、登記費用や仲介手数料などの諸費用、譲渡所得税の有無を事前に確認すると安心です。
仲介売却を検討する際は、周辺の成約事例を確認して相場を把握することも大切です。
買取業者に依頼する場合は、相続登記が完了していないと手続きが進まないケースがあるため注意が必要です。

空き家バンクの活用

空き家バンクは、自治体が運営する空き家情報の登録制度で、利用を希望する個人や事業者に物件を紹介する仕組みです。
地方への移住希望者などに物件が活用されるケースもあるため、需要とマッチすれば売却や賃貸に結び付くことがあります。
登録の際は、自治体ごとの手続きや条件、リフォームの必要性などを確認してください。
成約時には補助金や助成金が受けられる場合もあるため、地域の制度をこまめに調べることが大切です。
空き家バンクに登録する際は、写真や物件情報を詳細に提示すると興味を持たれやすくなります。
必要に応じて小規模な改修をおこない、すぐに利用可能な状態を整えるとマッチングがスムーズに進む場合があります。

寄附を選択する際の注意点

負動産を自治体や公益法人に寄附する方法もありますが、維持費用や活用方法が見いだせない場合は受け入れが断られることがあります。
また、「みなし譲渡所得税」に注意しなければなりません。
これは不動産を無償で譲渡しても、売却したとみなされて譲渡所得税が発生する可能性がある制度です。
さらに、遺言書の作成時には相続人の遺留分を侵害しないよう配慮することも必要です。
寄附後の管理責任についても、事前に相手方と取り決めをしておくことが望ましいです。
みなし譲渡所得税が発生すると、思わぬ出費となるため税理士や税務署に前もって確認しましょう。
寄附を受け入れる側も維持費用や活用方法を検討するため、事前に具体的な説明を求められることがあります。

そもそも相続放棄で不動産の所有を回避する方法

そもそも相続放棄で不動産の所有を回避する方法

負動産を含めて相続したくない場合は、相続放棄を検討することができます。
ただし、相続放棄はプラスの財産も含めて一切相続しない手続きであり、家庭裁判所への申述を経て成立する点に注意してください。

相続放棄の手続きの流れ

相続放棄をおこなうには、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述書や戸籍謄本などを提出し、受理される必要があります。
手続きは、相続の開始を知った日から3か月以内におこなわなければなりません。
この期間を過ぎると相続を承認したとみなされるため、早めに判断しておくことが大切です。
相続放棄が認められると、負動産を含む一切の相続財産を受け継がなくなります。
相続放棄には、家庭裁判所の手数料や郵送費、戸籍収集の費用など一定の事務的コストが発生します。
放棄後に後悔しないためには、専門家への相談を通じてメリットとデメリットを把握しておきましょう。

負動産を含む財産全体の放棄

相続放棄では、価値のある財産も同時に放棄することになるため、慎重な判断が欠かせません。
たとえば、預貯金や株式などのプラス財産も相続できなくなる可能性があります。
また、自分が放棄すると次順位の相続人に相続権が移り、結果的に負動産の問題を他の親族に押し付けてしまうケースも考えられます。
さらに、相続財産を現に占有している人には管理義務があるため、放棄後も一時的に不動産の管理責任を負うことがあります。
手続きの内容や影響が複雑なため、専門家に相談することが望ましいです。
相続放棄を選択すると、場合によっては遺族年金や保険金の受給に影響を及ぼす可能性もあります。
親族間の話し合いを十分におこない、遺産分割協議で方向性をすり合わせておくことが大切です。

まとめ

負動産は固定資産税や管理費用がかさむため、適切な対策を取らないと大きな経済的負担となります。
売却や空き家バンクの活用、寄附などの処分方法を検討し、それでも負担が重い場合は相続放棄も考えられます。
ただし、相続放棄はプラスの財産も含めて放棄することになるため、慎重な判断が必要です。
この記事を参考に、専門家や自治体の相談窓口も活用しながら、負動産への最適な対応を進めてください。

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