【福岡市版】不動産相続における数次相続とは?注意点や手続きの方法をご紹介!

相続について

上野 力

筆者 上野 力

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福岡県遠賀町出身。不動産業界歴15年、売却相談部にて年間200件以上の売却相談を担当する不動産のプロフェッショナル。お客様の人生を豊かにする長期的視点から、最適なアドバイスをご提案いたします。

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不動産相続における数次相続とは?注意点や手続きの方法をご紹介!

不動産相続では多くの留意点が存在するため、手続きに難しさを感じることがあります。
とくに、数次相続は複雑であり、事前にポイントを押さえなければ、手続きが滞ってしまうかもしれません。
そこで今回は、不動産相続における「数次相続」とは何か、注意点や手続きの方法をご紹介します。

不動産相続における「数次相続」とは

不動産相続における「数次相続」とは

数次相続とは、すでに起きている相続の手続き途中に相続人の1人が亡くなり、次の相続が発生することです。
たとえば、年齢の近い夫婦が相次いで亡くなったケースが該当します。
相続が2回発生しているケースは「二次相続」といい、3回発生しているケースでは「三次相続」と表現されるのが一般的です。
これらをまとめて「数次相続」と表しています。
このような相続は遺産分割をおこなわず放置していると起こる傾向にあり、相続関係が複雑になりがちです。
一般的な相続手続きとは異なるため、税務署に相続税の申告をするときにも注意しなければなりません。
数次相続とはどのようなものかを正しく理解するためには、よく似た相続である「代襲相続」や「相次相続」との違いを明確にしておく必要があるでしょう。
以下では、数次相続が「代襲相続」や「相次相続」とどう違うのかポイントをご紹介します。

数次相続と代襲相続の違い

代襲相続とは、本来相続人となるはずだった者が死亡や欠格事由などにより相続権を失った場合、その子が代わりに相続する制度です。
数次相続との違いは、相続人が亡くなるタイミングにあります。
代襲相続は、被相続人が亡くなる前に相続人が亡くなった場合に発生します。
一方、数次相続は、被相続人が亡くなった後に相続人が死亡した場合に発生するものです。
遺産分割協議などが終了する前に相続人が亡くなった場合、数次相続が発生します。

数次相続と相次相続の違い

相次相続とは、短期間のうちに続けて相続が発生する状況です。
数次相続との違いは、相続人の死亡が「相続税申告を終えたあとかどうか」にあります。
遺産分割から相続税の申告までが終了したあとに、2回目の相続が発生した場合は相次相続となります。
「数次相続」「代襲相続」「相次相続」はそれぞれ意味が似ているため、混同しないように注意が必要です。

不動産相続における数次相続の注意点

不動産相続における数次相続の注意点

不動産相続で数次相続になったときには、いくつか注意点を押さえておく必要があります。
数次相続後の相続税申告で押さえておきたい注意点は、以下の3つです。

注意点①相続税申告と納税義務は引き継がれる

1回目の相続人に課せられた相続税の申告・納税義務は、2回目の相続以降に引き継がれます。
相続税を納める前に相続人が亡くなった場合、納税義務が残るため注意するようにしましょう。
相続税の申告・納税を怠ると、罰則の対象となり、次の相続人に大きな負担がかかります。
数次相続でも基礎控除額は通常の相続と変わらないため、以下の計算式で算出されるのが原則です。
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
法定相続人の数が増えるほど控除額は大きくなりますが、数次相続では被相続人の相続が発生した時点における法定相続人の数で計算します。
そのため、本来の基礎控除額と変わらない特徴があります。
数次相続だからといって基礎控除額が増えるわけではないので注意が必要です。

注意点②相続税の申告期限は延長される

相続税の申告期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内です。
しかし、数次相続では、一次相続で相続税申告を予定していた方の死亡を知った翌日から10か月以内に延長されます。
注意点として、申告期限が延長されるのは、二次相続で指名された相続人のみです。
存命の一次相続人については、従来の期限内に手続きを済ませなければなりません。

注意点③相続放棄は通常の不動産相続と同様におこなえる

相続放棄とは、被相続人の財産を相続する権利を放棄する手続きです。
借金やローンなどのマイナス財産だけでなく、預貯金・不動産などのプラス財産も手放す必要があります。
数次相続が発生した場合、2つの相続権を持つケースがあり、それぞれについて相続放棄と相続の承認が可能です。
たとえば、1回目の相続は放棄して、2回目の相続を承認するといった手続きも行えます。
ただし、2回目の相続を放棄して1回目の相続を承認する手続きはできません。
2回目の相続を放棄した時点で相続人として扱われなくなり、1回目の相続に関しても財産を引き継げなくなります。
不動産相続で数次相続が発生した場合、財産の取り扱いを慎重に決める必要があります。
安易に不動産の相続権を放棄してしまうと、後に損をする恐れがあるため注意するようにしましょう。

不動産相続における数次相続の手続き方法

不動産相続における数次相続の手続き方法

ケースによっては、故人の不動産が数次相続になる可能性があります。
不動産相続が始まってから慌てないよう、事前に手続きの方法を確認しておきましょう。

手続き方法①相続人を確定させる

不動産相続では、相続人全員が遺産分割協議に参加しなければなりません。
そのためには、各相続人を確定させる必要があります。
相続人が1人でも欠けると、遺産分割協議が無効となってしまうため、注意が必要です。
相続人を把握するには、まず故人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得することをおすすめします。
故人の配偶者は常に法定相続人となり、それ以外の相続人は関係性によって順位が決まるのが原則です。
配偶者以外の順位は、故人の子ども・父母・兄弟姉妹となるため、それぞれ該当する方がいるか確認しましょう。

手続き方法②遺産分割協議書を作成する

相続人が把握できたら、遺産分割協議を行い、内容を遺産分割協議書にまとめます。
数次相続における遺産分割協議書の作成方法には、1つにまとめる方法と別々に作成する方法の2種類があります。
どちらの方法が良いかはケースによって異なりますが、トラブルを防止したい場合は別々にまとめるのが良いでしょう。
遺産分割協議書には「被相続人に関する記載」と「相続人の署名」が必要となっており、数次相続のケースでは肩書きに注意が必要です。
通常の不動産相続では相続人の欄に氏名を記載すれば問題ありませんが、数次相続の場合、被相続人と相続人が重なるため「相続人兼被相続人」と記載しなければなりません。

手続き方法③相続登記をおこなう

不動産の相続後には、相続登記が必要です。
原則として、遺産分割協議書と同じ順番で登記手続きをおこなうため、まず一次相続の相続登記を済ませ、次に二次相続の手続きへと移ります。
そのため、登記申請には手間と費用がかかるというデメリットがあります。
この問題を解消するために設けられたのが「中間省略登記」であり、数次相続の登記手続きを1回にまとめることが可能です。
中間の相続人が1人だった場合、手続きの省略が可能となるため、相続人の負担が軽減されます。
省略した登記分の登録免許税はかからないため、費用の削減も見込めます。
数次相続で不動産を相続した場合、中間省略登記が利用できるか事前に確認しましょう。

まとめ

数次相続とは、すでに起きている相続の手続き途中に相続人の1人が亡くなり、次の相続が発生することです。
注意点として、相続税申告と納税義務は引き継がれるので、期限はしっかりと確認しておきましょう。
不動産を数次相続するときには、まず各相続の相続人を確定させる必要があります。


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